KURAND MAGAZINE
秋の日本酒、「ひやおろし」と「秋上がり」の違いを解説します。

四季とお酒

8/30/2021

秋の日本酒、「ひやおろし」と「秋上がり」の違いを解説します。

まだまだ残暑が厳しいですが、もう秋はすぐそこ。秋の味覚が待ち遠しいこの季節、よく耳にする日本酒の呼び名があります。

それが、「ひやおろし」や「秋上がり」。この2つ、違いが分かりますか。どちらも酒税法上の厳密な規定はなく、定義については諸説あるようです。

今回は、「ひやおろし」と「秋上がり」の違いについて解説していきます。

close up of the sake

「ひやおろし」について

搾りたての新酒に一度だけ火入れを行い、貯蔵庫で夏のあいだ熟成。秋口になって、「冷や」の状態で「卸す」ことを「ひやおろし(冷や卸し)」と呼びます。

ここでいう「冷や」とは、常温のこと。秋口になって気温が下がったことに卸す日本酒は外の温度と同じくらいの温度になっているため、常温という意味を持つ「冷や」が含まれています。

 

「秋上がり」について

「ひやおろし」が夏場を越して熟成した日本酒を出荷すること意味するのに対し、「秋上がり」とは、秋になって程よく熟成されたことで、旨味が増して酒質が向上した日本酒を指します。

反対に、うまく熟成しなかったり、酒質が向上しなかったりした場合には、「秋落ち」と呼ばれます。

 

2つの違いについて

 

2つの違いは、どの側面を指した言葉であるか、ということ。夏を越えて秋口に熟成した状態のことを「秋上がり」、「秋上がり」した日本酒を出荷することを「ひやおろし」と呼んでいます。

つまり、「ひやおろし」と「秋上がり」は、どちらも秋の季節限定酒を表すという点では同じものなのです。

ただし近年では、その規定もあいまいになっており、多くの酒蔵では、ひやおろし、秋上がりではなく「秋酒」という広義の表現を使うことも多くあります。

 

秋酒の味わい

冬のしぼりたてをすぐに楽しむ「生酒」がフレッシュな味わいであるのに比べ、秋の日本酒は一度火入れをした後に、貯蔵庫で夏のあいだ寝かせてあるため、程よく熟成が行われています。

それにより、角が取れてまろやかな口当たりと深みのある旨味が広がります。秋の味覚とも相性抜群で、食欲の秋を贅沢に演出してくれます。

いかがでしたか。

「ひやおろし」と「秋上がり」、そして広義での「秋酒」。どれも、この季節にしか味わうことのできない日本酒です。

美味しいものに囲まれる幸せな秋、ぜひまろやかに円熟した日本酒をお供に、素敵な晩酌をお楽しみください。

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